令和5年度 中総体九州大会を終えて…。

スポンサーリンク
試合結果

中総体の九州大会を終えて福岡に戻ってきました…。5年ぶりに出場した九州大会でしたが、前回出場した2018年の大会と比較しても、非常に出場校全体のレベルが上がっており、全国大会への道のりの険しさを改めて感じたしだいです。2019年に大分、2021年に鹿児島、そして昨年は佐賀にと2018年に九州大会で日章学園中に敗れた後も2020年の大会中止の年以外は全て九州大会を観に行きました。しかしながら、ロープやフェンスの外から観る景色と、ベンチの中から観る景色は大きく異なり、大変学びの多い大会だったと思います。今回は九州大会で感じたことを記録として残しておきたいと思います。手帳に書いたことをすべて書くと長くなりすぎますので、ダイジェスト版としてまとめていきたいと思います。

令和5年度 第54回九州中学校サッカー競技大会
8月6日(日)島原市平成町多目的広場
1回戦 9:30~
東福岡自彊館中 2-7 大和中(佐賀1位)
※第54回九州中学校サッカー競技大会ベスト16

まず、1回戦を振り返って思ったことは、持っている力を100%出させることは本当に難しいことだと感じました。アップ時の様子を観ている時にはそこまで緊張しているようには見えなかったのですが、kickoff直後の開始30秒で右サイドからのクロスを決められてしまい、選手が舞い上がってしまったように思います。対戦相手との力関係では相手の方が上だと思っていましたので、最初のクーリングブレイク(前半15分)までは、先制点が取れればベストだけれども、0-0でも十分OKと考えていました。それが、開始30秒で先制されたうえに、2失点目も速かったので、ゲームプランが完全に崩れてしまいました。もちろん、早い段階で選手の交代を行ったり、落ち着かせるための指示は出していきましたが、なかなか地に足がつかなかったように思います。

ただ、ターニングポイントがなかったわけではありません。前半の中盤に相手チームのミスからペナルティエリア内で間接フリーキックを獲得することができ、1点を返せる絶好のチャンスが訪れました。残念ながら相手選手の身体を張ったディフェンスにゴールを奪うことができず、逆に3点目を奪われる結果となり、0-3で前半を終了します。

ハーフタイムではやはり気持ちはかなり落ちていました。ただ、ゲームはまだ終わったわけではありませんし、とにかく1つずつ返していこうということは話をしました。あと、問題点は空中戦でほぼ負けているという点でしたので、しっかりエアバトルを逃げないことと、可能な限りマイボールはグラウンダーでつなぐことを要求しました。あと、相手がロングボールを多用するので、空中戦で勝つことができないならば、もっと前線からロングボールを蹴らせないための身体を張った守備を要求しました。とにかくゴールを奪わないことには敗戦になってしまうので、相手のコートで積極的にボールを奪いに行き、シュートの本数を増やそうという話もして送り出しました。

後半に入ると少しずつシュートの本数も増え、ゴール前にボールを運べるようになってきました。ただ、シュートで終わることができずにパスカットをされた場合などは、シンプルに背後にボールを配球されてしまい、スピードに追い付けず追加点を奪われることもありましたので、やはりフィジカル面の差は大きなものがあったと思います。この部分は次年度の大きな課題になることと思います。

結果的に後半は中央突破から1点と相手のファールによるPKの1点で合計2点を奪うことができ、このことが次年度の財産へとなりました。スコアーでは大きな差が生まれましたが、この九州大会のピッチに9名の1,2年生が立つことができたことは、必ず今後に活かされていくことでしょう。ぜひ、ピッチに立って経験をしたことを、またベンチや応援席で観た経験を大切にしてほしいと思います。

さて、ここからは全国大会に出場するチームと我々の違いについて書き記しておきたいと思います。
まず、大会を通じて思ったことは、1回戦敗退のチームとベスト8以上のチームでは非常に大きな差が存在するということです。今回は台風6号の影響で沖縄県の2チームが出場辞退となったので、必ずしも正確な内容ではないかもしれませんが、とにかくベスト8に出場したチームはどこもフィジカル面が強く、スピードもパワーも全く違いました。また、優勝した神村学園と準優勝の日章学園の2校は九州リーグに所属をしているだけあって、日常のゲーム環境がまず違いますし、持っている経験値、プレーの選択肢の幅など比べ物にならない差を感じました。おそらく、中総体の九州大会も彼らの感覚では地区大会とあまり変わらないのではないかと思ったしだいです。直接対決の決勝戦は観ることができませんでしたが、神村学園の1回戦のゲームと日章学園の準々決勝のゲームを観る限りにおいては、今のままでは永遠に追いつくことはないと思います。

では、1発勝負の中総体で彼らに勝つためには何が必要なのか…?
まずは、最上級生だけで11名きちんと揃えることは絶対条件だと思います。とにかく最上級生のフィジカル能力を強化し、球際やエアバトルで負けないようにすること。そのためにはもっと高校生とのTRMの頻度を増やす必要があると思います。今年は1、2年生を多くレギュラーとして使っていたため、ケガの防止のために4月以降から少しずつ2週間に1度ぐらいのペースで行っていましたが、これからは可能な限り毎週やれればと思いますし、また対戦相手も高校1年生のトップチームと対戦する必要があります。東福岡高校は能力別に3つのカテゴリーに分かれていますので、いかに早く下のカテゴリーのチームを倒し、上位カテゴリーの選手とのTRMを行うことができるのかがポイントだと思います。
次に身体のサイズを大きくすることも重要です。現在、チームで身体計測を行っていますが、平均してだいたい1年間で5㎝前後の身長の伸びが見られます。中学校サッカーは2年半ですので、だいたい12cm~15cmくらい伸びているような状況です。もちろんあくまでも平均値ですので、もっと伸びる選手もいれば、高校になってから伸びる選手もいると思います。ただ、170cm以上の選手が最低でもスタメンの半分はいてほしいですし、可能であれば180cmを超える選手を複数名抱えることができるとエアバトルなどでアドヴァンテージを得られると思っています。そのためには、やはり食事と休息です。今回の食事の様子を観ていてもとにかく食べるのがものすごく遅いというのを感じました。あんなにゆっくり食べていたら出されたものを食べきらないうちに腹いっぱいになるだろうと思うくらいのスピードです。隣の選手とおしゃべりをしながらゆっくり食べていましたが、その時間があれば、もう一杯ご飯をおかわりしてほしいものです。今回は試合会場からは非常に遠いところに宿泊をしましたが、全国大会に出場した5校のうち3校と同じホテルに宿泊しました。私自身は彼らの食事の様子やホテル内での過ごし方、挨拶や風呂場での様子などオフザピッチを中心に観察をしていたのですが、われわれとは大きな差を感じる場面がたくさんありました。またこのことは遠征先などで選手達には話をしていきたいと思いますが、小さなことの積み重ねが1年後に大きな差になるのだと思います。

3つ目はやはり入口の改革です。今回も全国大会出場の5校は全て私立中高一貫校でした。昨年も5校とも私立でしたが、そのうちの4校は昨年と同じ学校です。私立と公立の差は以前よりも大きく拡大をしていると感じています。全国大会常連校は特待制度の活用等で選手を獲得することができているようですが、本校ではなかなかその部分が難しい状況にあります。現在、「かがやき育英奨学生」の制度により若干名の選手の獲得はできるようになっていますが、本校の採用条件で入試の合格者であることが条件のため、サッカーだけをやっている選手では入学が難しいかもしれません。残念ながらサッカーも勉強も両方できる選手はなかなか見つけきれておらず、この部分をどのように改革していくかは全国大会にチャレンジできるかどうか。また、次の東福岡高等学校赤ユニを着てピッチに立てるかどうかの大きなポイントになってくると思っています。
とにかくまずは競争ができるだけの選手の獲得が最優先事項です。やはりどの学年でも最低でも15名は在籍してほしいと思います。コロナ前は50名を超えていた部員も現在は28名まで減少しており、再び50名以上の部員確保も重要課題だと思います。もちろん、50名を超えると様々な問題行動もあり、指導の難しさも少なからずあります。しかしながら、正しく競争が行われることによるチーム力全体の向上は再び全国の舞台に戻るために必要不可欠な要素です。

その他にも、様々なことを変えていく必要があります。変化をすることは時に痛みを伴うものでもあり、非常に難しいものです。しかしながら、我々は早急に変化をしていかなければなりません。今回の九州大会でベスト8以上のチームと1回戦敗退校の2極化した実力差にも非常に大きな危機感を感じましたし、また本校のグラウンドで次年度から活動を行う「HIGASHI FC U-15」の存在も非常に大きなものがあります。「HIGASHI FC U-15」は本校と同様に東福岡高等学校に選手を送り込むためのジュニアユースのチームです。カテゴリーが異なるので直接公式戦の舞台で対戦する機会はないかもしれませんが、同じ中学生のクラブチームですから当然のことながら意識はすることになるでしょう。能力の高い優秀な選手がクラブに流れていくことも予想されますが、その中でも本校独自の文武両道の育成方針を前面に押し出して、我々も募集広報活動を継続していく必要があります。

このように今年は大きな変化がたくさんありました。この変化は大きな刺激として自分たちの成長への糧にしていかなければなりません。現状維持は後退であり、常に良いものを求めて変化を継続していくことができるものだけがこの競争社会を生き延びていけるのだと思います。変化を恐れることなく、常に進化することを目指し、一歩一歩を確実に成長していきたいと思います。ぜひ、これからも本校サッカー部の進化と成長を応援していただければ幸いです。

最後になりますが、今回の九州大会には本当にたくさんの方々に応援していただきました。遠く長崎県島原市の会場まで足を運んでくださったことに心から感謝いたします。現役生の保護者の方のみならず、OBの保護者の方もたくさん応援にかけつけてくださいました。過去のBlogにも記載しましたが、我々の一番の財産は多くのサポーターの方々に支えられているという事実です。強い年もそうでない年もずっと変わらず応援してくれる方々がいる。自分の息子が卒業した後も応援してくれる方々がいる。現地に行くことができなくても、現役生の保護者の方々が撮影してくれている動画を観て一緒に応援してくれている方々がいるということ。このことに本当に感謝をしています。今回の中総体で私自身がインフルエンザに罹患し、指揮が執れなかった福岡市大会の準々決勝のゲームで初めてスマホの画面から自チームの選手たちの頑張りを見守りました。この時も本当に多くの方々が画面越しに応援をしてくれていたことを思い出します。このような形で応援をしてくださるサポーターがいてくれる以上は、我々は走り続けなければならないと思っています。たくさんのサポーターの応援に対するお返しは「勝利と感動」をお届けすることだと思っています。ひたむきに最後の最後まで全力で諦めることなく勝利を目指して戦い続けることをこれからも継続していきたいと思いますので、これからもどうぞ温かく見守っていただければ幸いです。

大変長くなりましたが、今日はこの辺で終わりたいと思います。結局、ノートに記したことはあまり書くことはできませんでしたので、今回の九州大会で感じたこまごまとしたことは、これからのトレーニングやゲーム中にどんどん話をしていきたいと思います。必ず今回の経験を活かして、秋の新人戦、そして来年の中総体で再び九州大会の舞台で戦い、今度こそ九州大会の舞台でも勝利を勝ち取れるチームに育て上げていきたいと思います。

それでは、今日はこの辺で…。

追伸…。
今日の川崎FCとの県リーグについては、明日からのエスペランサのフェスティバルで新チームの強化を終えてお盆休みに書きたいと思います。忙しいけれども日々サッカーができることに感謝して…。

おやすみなさい。

コメント